アジア教育文化ジャーナル
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アジア教育文化ジャーナル 第8巻
  • 教育学徒の中国経験から人々の寛容を考える —
    牧野 篤
    原稿種別: 第15回学術研究大会基調講演報告
    2026 年8 巻No.1 号 p. 1-22
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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    人はなぜ、国家へと内向きになり、他者との会話の回路を閉じ、寛容性を失ってしまうのか。それは、私たちが馴染んでいる近代国民国家が資本増殖のアナロジーとしての人間観 、つまり「平等」で国家という「父」への同一化を通して、自己を形成する国民によって構成され、私たち自身が国家への同一化を自らに課しているからである。しかし本来 、私たちはそのような自己として存在しているのだろうか。本論では、この自己のあり方を、その固有性を生み出す時間と他者とのかかわりのあり方から導きだし、国家への同一化ではなく、国家を共存と平和への装置として使いこなす個人の立ち上げの仮説的な論理構築を試みる。その仮説とは、「私たちはつねに、あらかじめ、すでに赦しあっている」である。

  • 日本の専門職大学と中国の職業技術大学との比較から
    新井 聡
    原稿種別: 第15回学術研究大会基調講演報告
    2026 年8 巻No.1 号 p. 24-42
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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    2019年に日本では専門職大学(及び専門職短期大学)、中国では職業技術大学という学部レベルの学位が取できる高等教育機関が誕生し、規模を拡大させている。両者とも、「第四次産業革命」や「Society 5.0」の進展等による産業構造の転換に対応した専門職業人材の育成を目的として設置されたが、社会体制や経済戦略の違いから前者はサービス産業に、後者はマニュファクチャリングに重点を置いている。その役割の違いから両国が人材育成で互いに補完できる可能性がある。

  • 朱 耀垠, 李 剣
    原稿種別: 2025年度シンポジウム基調講演報告
    2026 年8 巻No.1 号 p. 43-57
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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  • アジア諸国への示唆を含めて
    長嶺 由衣子
    原稿種別: 2025年度シンポジウム基調講演報告
    2026 年8 巻No.1 号 p. 58-84
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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    日本は2000年に介護保険制度を創設し、家族介護中心から社会的介護への転換を図った。本稿は、介護保険制度の創設前から現在までの変遷過程と、それに伴う人材養成・育成制度の発展を体系的に記述し、制度設計における成功と課題を明らかにする。日本の介護の人材養成は高齢者像に伴って量から質の確保へと変化してきている。質確保のため、研修や資格体系が複雑化すると普及が困難となるという関係性も経験をし、現在はなるべくわかりやすい人材養成・育成制度とする取り組みも進めている。本稿は急速に高齢化が進む中国をはじめ、今後介護を支える制度の導入を検討するアジア諸国に対し、日本の経験から得られた教訓を提示することを目的とする。

  • 多母集団同時解析を用いた創造性育成モデルの作成
    佐藤 重人
    原稿種別: 原著論文
    2026 年8 巻No.1 号 p. 85-105
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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    本研究の目的は、日本語版中学生用創造性パーソナリティ尺度と中国で使用されている原版の尺度をもとに、比較研究を行い日中共通の創造性育成モデルを作成することである。日本人の調査協力者として、千葉県内のA中学校272名を対象に調査を実施した。中国人の調査協力者としては、遼寧省大連市のZ中学校の238名を対象に調査を実施した。研究1では日中両国における中学生に対して、分散分析・相関分析・重回帰分析・t検定を行った。結果は、中国の方が一部高い結果となったが、それ以外には差がなかった。研究2では、多母集団同時解析を行い、結果として『創造的発想力』『創造的冒険心』『創造的感覚性』の3つの因子が確認された。以上の結果から日中両国における創造性パーソナリティの育成モデルが完成し、相互に関連し合うモデルが日中に共通していることが確認された。

  • 進路希望別にみる功利志向とその分化
    陳 思源
    原稿種別: 原著論文
    2026 年8 巻No.1 号 p. 106-127
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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    近年、中国の修士教育は急速に拡大し、その役割は学術研究から職業的即戦力の育成や社会的地位向上を目的とした教育段階へと変容している。本研究は、中国の大学生が修士教育にどのような価値意識を持つのかを明らかにすることを目的とし、オンライン調査に基づく因子分析および多重対応分析を行った。その結果、価値意識は「進学メリット重視」「進学困難性認識」「就職回避重視」「地域移動重視」の四次元に整理された。特に国内進学志向の学生は修士教育をキャリア発展や社会的地位向上の手段として高く評価していたのに対し、海外進学志向や就職志向の学生は進学のリスクやコストをより重視し、その価値を相対化する傾向が確認された。これにより、修士教育を単純な功利的選択として捉える従来の理解には限界があることが示され、中国に特有の「大学院進学ブーム」の実態を明らかにすると同時に、日中の教育観の差異を理解する上でも意義を持つ。

  • 初等教育における公民教育・キャリア教育の統合的カリキュラムを探る
    史 鵬宇
    原稿種別: 原著論文
    2026 年8 巻No.1 号 p. 128-150
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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    本研究は、中国で2022年に新設された教科「労働」を対象に、その教材構造を分析し、公民教育とキャリア教育の統合的理解を深める視点を提示することを目的とする。日本では両者の理念的接近が進む一方、教科や教材の設計は依然として分断的に扱われ、統合的枠組みの欠如が課題となっている。そこで、Brunerのレリバンス概念とStuckeyらの三層モデル(個人的・社会的・職業的)を理論的基盤として浙江省版教科書を分析した。その結果、同教材は低学年で生活自立を、高学年で公共性や職業意識を重視し、児童が「生活-社会-将来」を段階的に結び付ける構造を備えていることが明らかとなった。ただし、公共性の一面的強調など、多様性やバランスに課題も確認された。 以上の知見は、日本における公民教育とキャリア教育の有機的接続を再構築するうえで重要な示唆を与え、変化する社会に対応した「令和型学校教育」の深化に資するものである。

  • RUNWAY TENNIS ACADEMY における取り組み
    長久保 勇太
    原稿種別: 実践報告
    2026 年8 巻No.1 号 p. 151-172
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/25
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    夢を挑戦をあきらめるジュニア選手が多く存在することを、残念に思い、ジュニア選手の成長を支援したいと考えた。そこで、ジュニア選手の成長を支援することを目的として、支援プログラムを構成し、実践した。 実践した結果、ジュニア選手は、主体的で自律的に、自分の気持ちをコントロールしマネージメントできるように成長した。 また、ジュニア選手とのコミュニケーション方法を変えた結果、これまでにない良い戦績を収めただけではなく、前向きに今後の課題を話し合い、挑戦し続ける姿勢がみられるようになった。 ジュニア選手としての最後の全国大会では、良い戦績を収めた。さらに、大学進学後も、挑戦し続けている。 以上より、今回の支援プログラムは、ジュニア選手の成長を支援する取り組みの一例として示唆を与えるものであったと考えられる。

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