2010 年 10 巻 3 号 p. 3_33-3_45
本論は,リモートセンシング技術を防災分野に利用し,大地震発生後の早期被害把握を行なうことを目的としている.近年では,自然災害発生時の緊急撮影に従来からのアナログ航空カメラだけではなく,デジタル航空カメラが使用されている.デジタル航空画像は高い輝度分解能や近赤外波長帯を有するため,衛星画像やアナログ航空画像よりも詳細な被害把握が可能となる.これらのデジタル航空画像の利点を活かし,2007年新潟県中越沖地震で瓦礫と化した倒壊建物を画像解析によって自動的に抽出する方法を提案した.