日本地震工学会論文集
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論文
人工衛星光学センサ画像の目視判読による2008 年中国四川地震での北川県南東部の建物被害分布
三浦 弘之翠川 三郎
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2010 年 10 巻 3 号 p. 3_46-3_57

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抄録
2008 年中国四川地震で甚大な被害を受けた地域のひとつである北川県南東部を対象として建物被害分布を把握するために,地震前後に撮影された人工衛星光学センサ画像を利用して,建物被害の目視判読を行った.地震前の画像から辺長さ10m 程度以上の建物の位置が特定できた.地震前後の画像の比較から,対象範囲全域で計約5,000 棟の建物の被害レベルを,倒壊,大破程度,中破程度ないしそれ以下の3 種類に判読した.各集落の被害率を算出したところ,中心部の曲山鎮では被害率80%以上となるなど,地震断層の上盤側に位置する集落の方が下盤側の集落に比べて被害率が高い傾向がみられた.
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© 2010 一般社団法人 日本地震工学会
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