2010 年 10 巻 3 号 p. 3_87-3_101
我が国の津波災害による家屋被害評価手法の高度化を目的として、1993年北海道南西沖地震津波の奥尻島青苗地区における航空写真の目視判読による家屋被害評価と津波氾濫解析とを統合して、新しい津波被害関数を構築した。津波被害関数は、家屋の大破・流失率と津波氾濫の流体力学的な諸量(最大浸水深、最大浸水高、最大流速、家屋単位幅あたりの最大抗力)との関連で表現し、想定される津波の諸量に対する家屋被害棟数を定量的に評価する新しい津波被害想定指標を構築することができた。