画像を用いた選好判断において、顔画像では見慣れた画像(親近性画像)が好まれる傾向があるのに対して、風景画像では初めて見る画像(新奇性画像)が好まれる傾向がある事が報告されている。本研究では、嫌いな画像を選択する課題における親近性と新奇性の影響を調べる事を目的として、選好判断と選嫌判断の比較実験を行った。その結果、嫌いな顔画像を選ぶ場合には選好判断とは逆に新奇性画像が選ばれる傾向が生じた。一方、嫌いな風景画像を選ぶ場合には親近性画像と新奇性画像の評価値に有意な偏りは生じなかった。嫌いな画像を選ぶ課題においても画像カテゴリによって親近性と新奇性の影響が異なることが示唆された。