日本地震工学会論文集
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論文
長周期地震動の揺れ易さ係数の変動要因とその低減対策
―関東平野を例として―
湯沢 豊南雲 秀樹
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2012 年 12 巻 2 号 p. 2_41-2_59

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抄録

湯沢・工藤(2011)により提案された基盤での距離減衰式と長周期地震動の揺れ易さを組み合わせた長周期帯域の経験的地震動予測手法は、簡便に地盤上の応答スペクトルを予測可能である。しかしながら、各観測点での揺れ易さは、地震毎の揺れ易さ係数の平均であることから、震源や伝播経路の影響を含んだ地震記録個々の特徴が平滑化されるとともに、標準偏差が大きく、地震によっては実用上問題がある。そこで、地震動予測の精度向上を目的として、揺れ易さ係数の変動幅に影響を与える要因について関東平野を対象に分析を行うとともに、対策を講じることを試みた。その結果、地震の発生地域の違いにより地震波の到来方向が異なり、揺れ易さ係数の周期特性に違いがあることを確認し、それには関東平野を伝播する表面波が大きく影響していることが分かった。このことを踏まえ、地震発生地域を限定することにより、揺れ易さ係数の変動幅が小さくなることを示した。また、関東平野では福島県南部の地域で発生した地震による地震動は、伊豆周辺の浅い地震や新潟県の上・中越で発生した地震のそれとは異なり、周期5~10秒付近の成分が卓越しないことが分かった。

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© 2012 日本地震工学会
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