日本地震工学会論文集
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論文
東北地方太平洋沖地震及びその前震・余震で観測された東京湾岸の長周期地震動
植竹 富一
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2012 年 12 巻 5 号 p. 5_192-5_206

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抄録

2011年東北地方太平洋沖地震の本震及び前震・余震による記録を用いて、東京湾岸における長周期地震動の検討を行った。本震の速度波形・変位波形には周期約20秒のパルス状の波が認められる。本震の速度応答スペクトル形状には、地点毎の差異は認められるが、周期5~10秒の範囲で顕著なピークは見られない。宮城県沖~茨城県沖で発生した前震・余震でも同様な傾向である。一方、長野県北部の地震では周期5~7秒の卓越が見られ、震源位置により長周期地震動の励起が異なることが確認された。また、本震の周期7~8秒の位相速度は、応答スペクトルに顕著なピークがみられた2007年新潟県中越沖地震の位相速度より早く、周期7~8秒の卓越性状と波動成分の関係が示唆される。

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© 2012 日本地震工学会
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