2014 年 14 巻 2 号 p. 2_67-2_83
本研究の目的は、1996 ~ 2011年の期間にK-NET、KiK-net、JMAで観測された日本全国の強震動記録の加速度フーリエスペクトルおよび加速度応答スペクトルを用いて、スペクトルインバージョン手法に基づき強震動特性を推定し、分離した震源・伝播経路・サイト増幅の各特性について新たな知見を得ることである。フーリエスペクトルから分離された強震動特性は、どれも先行研究と非常に良い一致を示し、より安定した結果となった。分離した伝播経路特性から求められるQモデルについては、これまで得られなかった北海道周辺のものが新たに得られた。応答スペクトルから分離された強震動特性は、1Hz以上10Hz以下の振動数域においてフーリエスペクトルの分離特性と概ね一致する結果となったが、1Hz 以下の低振動数域および10Hz以上の高振動数域においては異なる挙動を示すことがわかった。