日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
スペクトルインバージョン手法に基づく強震動特性の統計的性質に関する研究
その1 フーリエスペクトル・応答スペクトルから分離した平均特性
仲野 健一川瀬 博松島 信一
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 14 巻 2 号 p. 2_67-2_83

詳細
抄録

本研究の目的は、1996 ~ 2011年の期間にK-NET、KiK-net、JMAで観測された日本全国の強震動記録の加速度フーリエスペクトルおよび加速度応答スペクトルを用いて、スペクトルインバージョン手法に基づき強震動特性を推定し、分離した震源・伝播経路・サイト増幅の各特性について新たな知見を得ることである。フーリエスペクトルから分離された強震動特性は、どれも先行研究と非常に良い一致を示し、より安定した結果となった。分離した伝播経路特性から求められるQモデルについては、これまで得られなかった北海道周辺のものが新たに得られた。応答スペクトルから分離された強震動特性は、1Hz以上10Hz以下の振動数域においてフーリエスペクトルの分離特性と概ね一致する結果となったが、1Hz 以下の低振動数域および10Hz以上の高振動数域においては異なる挙動を示すことがわかった。

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本地震工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top