日本地震工学会論文集
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論文
砂の液状化抵抗が年代とともに増加する現象
東畑 郁生田口 雄一林田 敏彦濱田 悠貴青山 翔吾後藤 茂
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2015 年 15 巻 7 号 p. 7_121-7_130

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抄録

従来の液状化危険度予測は設計作業の一環として行われ、その目的は安全な施設を造ることであった。したがってある程度の安全側の評価すなわち液状化抵抗をやや過小に評価することがあっても、それは設計として当然のことであった。ところが近年は液状化ハザードマップの作成が社会的に重要となり、液状化抵抗をより正確に評価することが重要となってきた。そのために本研究では、液状化抵抗が年代とともに増加する年代効果を取り上げ、その定量的評価を試みた。2011年の東日本大震災の事例を中心に1995年の阪神大震災における液状化事例をも取り上げ、地盤の年代とボーリングデータを用いて液状化抵抗を推定した結果、抵抗が年代とともに増加すること、そして実用上は、400年を経た地盤であれば液状化抵抗を現行の設計基準の方法に比べて4割増加させられることを、見出した。

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© 2015 一般社団法人 日本地震工学会
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