日本地震工学会論文集
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論文
地下水位低下が戸建て住宅の液状化対策に与える効果
安田 進石川 敬祐
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キーワード: 地震, 液状化, 戸建て住宅, 対策
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2015 年 15 巻 7 号 p. 7_205-7_219

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抄録

2011年東日本大震災で住宅地が液状化により甚大な被害を受けた関東の諸都市では、地区全体で地下水位を低下させて対策を施す「市街地液状化対策事業」が進められている。ところが、地下水位低下が家屋の液状化被害を軽減する効果に関しては、これまであまり定量的に明らかにされてきていない。そこで、まず過去の地震における被災事例について調べ、被害が生じる限界の水位を調べた。また、下層の液状化が地下水面上の表層の水位上昇に与える影響に関して試算を行った。さらに、戸建て住宅のめり込み沈下量や傾斜角に与える地下水位の影響を残留変形解析によって解析してみた。これらの結果、現在各都市の「市街地液状化対策事業」で目標とされているGL-3m程度まで地下水位を下げることが妥当と考えられた

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© 2015 一般社団法人 日本地震工学会
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