2016 年 16 巻 1 号 p. 1_322-1_341
千葉県我孫子市布佐地区は、2011年東北地方太平洋沖地震(MW9.0)、2011年茨城県沖地震(MJ7.6)、2011年福島県浜通り地震(MJ7.0)による強震動の作用を受けており、現地における地盤災害の分析などのためにも、当該地震における布佐地区での地震動を事後評価することは非常に重要である。本研究では、布佐地区内での常時微動計測および地震観測の結果などに基づいて、布佐地区におけるサイト特性を評価した。そして、サイト特性置換手法を用いて布佐地区における工学的基盤相当での地震動を推定した。その結果、布佐地区の地盤に作用した地震動は、布佐地区に最も近い利根町役場で得られた観測記録よりも大きかった可能性が高いと考えられる。