日本地震工学会論文集
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論文
極大地震動における直接基礎建物の応答と極限支持力
田村 修次林 和宏時松 孝次
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2016 年 16 巻 8 号 p. 8_82-8_87

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抄録
本研究では、直接基礎建物の遠心載荷実験で、極大地震動における直接基礎建物の沈下・傾斜および極限支持力について検討した。振動実験で極大地震動を入力したところ上部構造物の加速度が頭打ちになった。これは、基礎端部直下の地盤が極限支持力に達し、転倒モーメントが極限に達したためである。水平載荷試験における転倒モーメントの極限値は振動実験とほぼ同じであった。振動実験終了後の基礎の傾斜や静的載荷実験終了の基礎の沈下は小さく、直接基礎建物は転倒しなかった。常時の極限支持力の安全率が十分に大きいケースでは、大地震で基礎部端部の地盤が局所的に極限支持力に達しても、直接基礎建物が転倒するリスクは少ないと考えられる。
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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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