2016 年 16 巻 9 号 p. 9_33-9_45
従来のスペクトルインバージョン解析法より精度の高い、見かけ入射角を考慮した解析法を提案した。水平成層構造に基づく理論波形と新潟県南部地域の内陸地殻内地震を対象としたデータの解析から、伝播経路特性が見かけ入射角依存性を持つこと、本手法を用いると全体的に従来法より地震動予測精度が向上すること、従来法で表現できなかった震源近傍で振幅が従来の式より大きくなる現象を本手法で説明できること、従来法と本手法で推定された震源特性・サイト特性にはほとんど差がないことを示した。したがって、従来の伝播経路特性を見かけ入射角を考慮した本特性に置き換えることにより、従来法より高精度の強震動予測ができると考えられる。