日本地震工学会論文集
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論文
微動と地震動の観測水平上下スペクトル比の相違とそれに着目した地盤構造同定手法の提案
森 勇太川瀬 博松島 信一長嶋 史明
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2016 年 16 巻 9 号 p. 9_13-9_32

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抄録

単点微動のみを用いた地盤構造同定手法の確立に向けた検討の第一歩として、K-NETおよびKiK-netのうち100地点で地震動と微動の水平上下スペクトル比(それぞれEHVRとMHVRと略す)の比較を行った。その結果、EHVRとMHVRには類似性があるものの、異なる特徴をもつことが分かった。各地点でEHVRとMHVRの比(EMRと略す)を計算して比較したところ、EMRに統計的な差異がみられた。このEMRを微動の1次ピーク振動数で分けたカテゴリごとに平均化し、MHVRに平均EMRをかけて得られるみかけのEHVRを我々は擬似EHVRと定義した。EHVR、MHVR、擬似EHVRを比較すると、EHVRとの相関は擬似EHVRの方がMHVRより高い結果となった。これらEHVR、MHVR、擬似EHVRを用いて地盤構造の同定を行い、得られた地盤モデルを比較すると、擬似EHVRを用いて同定した地盤モデルの方が、MHVRを用いて同定した地盤モデルよりも、よりEHVRを用いて同定した地盤モデルに近いという結果が得られた。

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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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