日本地震工学会論文集
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論文
表層地盤モデルに基づく1944年東南海地震による名古屋市の住家被害と震動特性に関する研究
高橋 広人福和 伸夫岸浦 正樹
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2016 年 16 巻 9 号 p. 9_46-9_66

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抄録

強震動予測及び液状化評価を目的とした表層地盤のモデル化手法を提示し、名古屋市域を対象に適用した。適用したモデルの妥当性を示すとともに、1944年昭和東南海地震による旧名古屋市の住家被害と地盤条件、震動特性との関係について考察した。表層地盤モデルは38600本のボーリング資料に基づいて9層の地層年代に区分し、地層年代別にN値と土質を標高1m刻みで水平方向に50m×50mメッシュ単位で補間し、これらを累積することで構築した。微動計測に基づくH/Vスペクトルのスペクトル形状や地震応答解析による地震動の増幅に基づいて表層地盤モデルの妥当性を確認した。1944年昭和東南海地震を想定した強震動予測及び液状化評価結果は、連区(学区)別の住家被害と対応がよく、地盤モデルに基づいて被害要因を解釈できる可能性について示した。

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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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