2017 年 17 巻 4 号 p. 4_30-4_49
2008年岩手・宮城内陸地震におけるKiK-net一関西,及び,2011年東北地方太平洋沖地震におけるK-NET築館での大加速度記録に関して,地盤の弾塑性論的考察を加えた.一関西ではMax=3866galの上下非対称型の上下方向大加速度記録が観測された.この現象は,水平動と上下動の同時入力による地盤の弾塑性応答解析によって旨く説明できた.すなわち,上向き加速度と水平動が同時に入力される場合,応力点は破壊線に沿って上昇し,更に大きな上向き加速度が発生する.一方,下向き加速度と水平動が同時入力される場合は,応力点は破壊線に沿って降下し,低拘束圧下での強い塑性応答が発生する.築館での大加速度記録については,多くの研究者が地震計基礎のロッキング振動による部分的な浮き上がりを指摘している.本論文では地盤のダイレイタンシーによって水平動の2倍の振動数の上下動が発生すること,この上下動は正のダイレイタンシー特性を有する材料では水平動の±のピーク時に上向き,負のダイレイタンシー特性を有する材料では下向き上下動であることを示した.また,築館での大加速度記録には負のダイレイタンシーによって発生した下向き上下動が含まれている可能性があることを述べた.