日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
報告
2016年熊本地震における強震観測点周辺の状況と発生した地震動との対応性―熊本県央,天草地域―
境 有紀汐満 将史神野 達夫中尾 隆松尾 真太朗重藤 迪子安部 良寄井田 恭佑土岐 崇喜
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 18 巻 5 号 p. 5_121-5_153

詳細
抄録

2016年に発生した熊本地震を対象として,熊本県央,天草地域において震度6弱以上を記録した強震観測点周辺の被害調査を行った.その結果,いくつかの観測点で全壊・大破といった大きな被害を受けた建物が見られたものの,その数は震度の大きさに対して少なかった.観測された強震記録の性質について分析した結果,いずれも周期1秒以下の短周期が卓越した地震動で,建物の大きな被害と相関がある周期1-1.5秒応答は小さく,このことが震度が大きいにも関わらず,大きな被害を受けた建物が少なかった原因と考えられる.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 日本地震工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top