日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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日本海東縁部における広域的地殻構造境界の津波波源の設定
―認識論的不確実さ要因の一つとして―
内田 淳一岩渕 洋子杉野 英治
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2019 年 19 巻 4 号 p. 4_122-4_155

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抄録

日本海東縁部の広域的な地殻構造境界に関する既往知見を整理し,当該地域の津波想定に係る認識論的不確実さを評価するためのロジックツリーの設定において,地殻構造境界の項目を最初の分岐に設け,その中で破壊領域,地震規模及び連動性に関する不確実さを考慮することを提案した.また,これらの不確実さを考慮するために必要な具体的なモデルの一つとして,地殻構造境界型の津波波源モデルを提示した.この地殻構造境界型の津波波源モデルは,新生プレート境界論及びひずみ集中帯に関する既往知見並びに最近の地殻構造境界に関する知見を整理した結果を踏まえ,地殻構造探査により東傾斜の逆断層が連続的に確認された範囲を基本として設定した既往最大規模を超える津波波源モデルである.想定される地震規模はMw7.7~8.6であり,国土交通省(2014)の地殻内地震型の津波波源モデルの地震規模(Mw7.5~7.9)を上回るものであった.さらに,日本海沿岸地域における津波水位への影響を確認するため,地殻構造境界型の津波波源モデルと地殻内地震型の津波波源モデルを用いた津波伝播解析を行い,両者の津波水位を比較した.その結果,地殻構造境界型の津波波源モデルを用いた津波水位は,地殻内地震型のそれよりもおよそ2~3倍高くなることを示した.さらに,最大水位に見られる地域差は,地殻内地震型よりも地殻構造境界型の津波波源モデルの方がより強調されることが明らかになった.

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© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
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