2019 年 19 巻 6 号 p. 6_258-6_271
2016年鳥取県中部の地震で鳥取県中部域の被害が甚大であった地域において, 微動観測および地震観測を実施し, 地盤構造の推定および地盤震動特性の把握を試みた.微動記録より水平動と上下動のスペクトル比(H/V)と位相速度分散曲線, 自治体, K-NETの観測点, 臨時余震観測点の地震記録より地震動のH/Vを求め, 地震基盤までの地盤構造を推定した.また, 微動H/Vの卓越周期分布と, その形状のカテゴリー分類の分布より地盤震動特性を把握し, 建物被害との対応を検討した.その結果, 工学的基盤までのS波速度や層厚, 約1秒以下の短周期成分の卓越周期の違いが, 建物被害に影響を与えた可能性がわかった.