日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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個別要素法を用いた地震後の土石流に起因する河床地盤振動特性の解明
山田 雅行八木 悟羽田 浩二藤野 義範深津 宗祐高原 晃宙栗田 哲
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2019 年 19 巻 6 号 p. 6_272-6_282

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抄録

地震が直接または間接的に要因となって土石流を生じさせることがある.個別要素法を用いて, 落石を河床に衝突させることによって, 土石流に起因する河床地盤振動を模擬した.河床の剛性, 落石の落下高(流速), 落石数(流量), 水の有無をパラメータとして, 地盤振動の比較を行い, その振動特性や成因に影響を与える条件に言及した.土石流による河床地盤振動の周波数特性は, 河床地盤の物性によって影響を受けるが, 落下高(衝突速度)や落石数, 水の有無に依存しないことがわかった.また, 河床の剛性に基づいて卓越する周波数成分の振動は減衰が少なく, それ以外の周波数の振動の減衰が顕著であった.常時微動などを用いて事前に河床付近の地盤の卓越周波数を調べることができれば, 土石流によって生じる地盤振動をより的確にとらえることができることを示した.

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© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
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