日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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確率論的手法を用いた海底地すべり危険度判定手法の構築
佐藤 太一杉野 英治
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2019 年 19 巻 6 号 p. 6_283-6_295

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抄録

海底地すべりによる地形変化が海面に変動を与えて津波を発生させることが知られている.海底地すべり起因の津波を対象としたハザード評価に関する既往研究では, 地すべり発生に関わる不確かさとして, 海底地盤の物性値の深さ方向の変化を掘削データより考慮しているが, そのばらつきまで考慮されていない.また, 任意断面内において, 地すべりの位置や形状等のばらつきを考慮しているが, それらの設定範囲は想定された断面内に限られる.本研究では, 海底地すべり起因津波の確率論的ハザード評価手法の整備の一環として, 地盤物性値(せん断強さ等)の深度に応じたばらつき及び平面的な地すべり発生位置や移動方向を考慮し, 確率論的手法を用いた海底地すべり危険度判定手法を構築した.また, モデル地形を対象に海底地すべり危険度マップを試作し, 本手法の適用性を確認した.

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© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
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