鉄道盛土には,降雨に対する浸透や侵食防止を目的として,のり面工が施工される.この内,のり面を被覆するものは盛土内を不飽和状態に保ち盛土全体の耐震性向上に寄与すること,また,のり面工と地山補強材を接合することにより,合理的な耐震補強が可能となることが期待される.しかしながら,これらの効果については十分には解明されていない.そこで,のり面工および地山補強材を有する盛土模型を構築し,降雨散水を行いながら振動台実験を実施した.その結果,張ブロックによるのり面の被覆によって盛土内の相対的に広い範囲が不飽和状態を維持すること,のり面工と地山補強材を接合することで加振時に発揮される張力が増加し,耐震性向上効果が得られることが確認された.