2020 年 20 巻 2 号 p. 2_17-2_35
KiK-net強震記録に基づき,上下動の地盤増幅特性の非線形性の有無が,地表での観測加速度波形を積分した速度波形の形状で識別できることを示した.すなわち,上下動の速度波形が負の方向にステップ状に一定になる,あるいは,負の方向に直線状のトレンドが生じた後ほぼ一定となる場合,上下動の強震動の地盤増幅特性が弱震動の地盤増幅特性と異なることを示した.このような場合,上下動の増幅特性の卓越周波数の1/2の周波数付近に水平動の卓越周波数がある特徴がみられた.上下動の地中に対する地表のフーリエスペクトル比は,弱震動のスペクトル比より10 Hz程度以下で大きい場合が多く,上下動のピーク周波数の1/2の周波数付近に存在する水平動のピークレベルも,弱震動より大きくなる場合が多かった.特に,一定となる速度の絶対値Vnonが5 cm/s以上の場合に地盤増幅特性の非線形性が明瞭で,Vnonが最大の3つの記録は,震度7相当の大振幅地震動であった.