2020 年 20 巻 6 号 p. 6_15-6_24
波動解析において,人工的に設けた境界からの反射波は解析誤差の一因となる.本論文では,Clayton and Engquist (1977)の手法に基き,時間領域の有限要素法解析において境界からの反射波を吸収する要素を提案する.消波要素内を,変位が一方向にP波速度またはS波速度で伝播するとして,線形加速度法を用いて,要素内の変位分布を表し,その変位分布から要素マトリックスを導出する.導き出した要素を消波境界として用いた2次元波動解析を行い,提案した消波要素によって効率よく反射波が吸収されることを示した.