強震時に高速道路上で車両衝突が発生する可能性を想定し,衝突実験をもとに車両対車両・車両対壁面の衝突モデルを作成して,車両が衝突・追突によりどのような挙動を示すのかについての解析を行った.その結果,対壁面衝突に関しては,高速走行時に想定される衝突角度において速度を保ったまま跳ね返り,他車線に進入する可能性があることが分かった.すなわち,構造物と衝突した後に他車に衝突するなど,多重衝突を誘発する危険性があることが確認された.また,地震動の影響とドライバの予測を考慮したハンドル操作モデルを作成し,地震時にハンドル操作が受ける影響について検討した.解析の結果,直進を保持するようにハンドル操作を行ったとしても進行直角方向に変位が生じることが分かった.