芝浦工業大学豊洲キャンパスの免震建物には複数の加速度計が設置され,長期振動観測が行われている.約9年間の常時微動記録のスペクトル解析から,建物の固有周期には季節変動が見られ,固有周期と気温には負の相関があることを示した.また,東北地方太平洋沖地震後に,固有周期は約5%伸びたことが分かった.地震記録へのARXモデルの適用から,固有周期,減衰比には振幅依存性があることを示した.また,同地震後には固有周期の振幅依存性には変化が見られ,固有周期は6~10%伸びたことが分かった.一方,減衰比については,同地震の前後に変化は見られないことが分かった.