2022 年 22 巻 2 号 p. 2_37-2_60
2011年東北地方太平洋沖地震や2016年熊本地震等の発生により,地震ハザード評価の高度化への関心が一段と高まっている.大きな地震が発生する度に新たな知見が判明する中,評価に必要なパラメータの不確かさの項目と範囲を検討し,その影響度を確率論的地震ハザード解析によって事前に捉えておくことが重要である.伊方SSHACプロジェクトは,国内で初めてSSHACレベル3ガイドラインを適用して確率論的地震ハザード解析を実施した試みである.本稿では,長大断層である中央構造線断層帯や南海トラフで発生する海溝型巨大地震を含めた多様な震源を対象に構築した震源特性モデルを概説する.また,得られた知見やノウハウが後続の検討にも有用との観点から,SSHACレベル3ガイドラインの有効性や不確かさの範囲と地震ハザードへの影響度について考察を加えて報告する.