日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
強震記録の自己相関関数を用いた京都-奈良盆地深部地盤構造モデルの検証
浅野 公之関口 春子岩田 知孝
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 24 巻 5 号 p. 5_45-5_57

詳細
抄録

強震動予測の高精度化には,三次元地盤構造モデルの高度化が不可欠である.地震記録を用いた地下構造探査手法として,自己相関関数を用いる手法が国内外で利用されている.本研究では,京都・奈良盆地の強震・震度観測点の強震波形記録を収集し,それらのTransverse成分の自己相関関数を計算することで得られる盆地基盤面での反射SH波の往復走時を用いて,既存の深部地盤構造モデルの検証並びにモデル改善が必要な箇所の検討を行った.京都・奈良盆地の多くの地点では,観測往復走時と理論往復走時の差異は20%以内であるが,山科盆地と京都盆地の境界付近の狭窄部や基盤形状急変部などでは顕著な差異がみられ,より詳細な調査が必要と考えられる地点も見出された.

著者関連情報
© 2024 公益社団法人 日本地震工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top