破断後積層ゴムの残余性能を確認するため,直径1600 mmの実大鉛プラグ入り積層ゴム試験体を破断させた後に,再び設計面圧でせん断試験を実施した.その結果,破断後の残余性能について以下の結論を得た.破断の形式に関わらずせん断ひずみが少なくとも±100%程度の領域までは,健全時と破断後における復元力の履歴ループはほぼ一致する.せん断ひずみ200%までは,両者の力学挙動がおおよそ一致する.それ以上の領域では,滑動の開始とともに水平荷重が低下するものの,鉛直方向への急激な沈み込みは発生しない.これらの結果は,積層ゴムが破断しても水平耐荷力および鉛直支持力を有することを示す.