2025 年 25 巻 5 号 p. 5_67-5_77
盛土の変形解析を実施する場合,特定の外力に対し変位抑制を前提とするため,微小変形問題として取り扱う事が多い.一方で,地震外力の激甚化を考慮すると,実際の変形量が幾何学非線形に及ぶ可能性がある.本報では,幾何学非線形,材料軟化および対策工の有無による応答性状の相違に着目し,遠心場模型実験の再現解析を通して粒子法の適用性を検討した.土塊形成,崩壊形態とも実験・解析結果は相互に整合しており,幾何学非線形・材料軟化を考慮した提案手法が,崩壊を考慮した盛土の地震応答解析へ適用可能であることを示した.