2025 年 25 巻 5 号 p. 5_78-5_91
本論文では,地震動の周期特性と継続時間に着目した地震応答解析を実施し,地震動特性が軟弱な砂・粘土互層地盤に築造された河川堤防の地震被害に及ぼす影響を検討した.その結果,入力地震動の長周期成分が卓越していると,砂層の液状化だけでなく,従来は地震被害が発生しにくいと考えられてきた粘性土層においても,共振に伴う強い揺れによって深部粘土層の剛性が低下し(乱され),堤体の地震被害が甚大化しうることを示した.また,河川堤防の設計用地震動は地震応答スペクトルで規定されることが多く継続時間の影響が陽に考慮されていないが,弾塑性応答が顕著となる軟弱地盤では,地震動継続時間の影響が大きいことを示した.