2003 年 3 巻 1 号 p. 47-58
地盤の非線形性が地盤増幅度に及ぼす影響を評価するために, 2001 年芸予地震の本震および余震等による広島市での地震記録から地盤特性を求め, それぞれを比較した。その結果, 本震時の地盤特性には地盤の非線形性の影響がみられることを確認した。芸予地震における最大振幅に対する増幅度を地盤のひずみレベルごとに整理し, これに1989 年ロマプリータ地震および1994 年ノースリッジ地震における強震記録からの結果を加えて検討したところ, 最大加速度に対する増幅度は, 表層地盤の有効ひずみが3×10-4 程度を越えると顕著に低下するが, 最大速度に対する増幅度は, 有効ひずみが1×10-3 程度までは地盤の非線形性の影響がほとんどみられないことを確認した。