日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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観測点における地震動の水平/鉛直スペクトル比の位相を用いたレイリー波卓越方向の推定と検証
畠 一樹澤田 勉三神 厚岡本 輝正
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2005 年 5 巻 4 号 p. 15-24

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抄録

本研究は、地震動のコーダ部にレイリー波が多く含まれているという前提のもとに、1観測点で抽出された地震動の水平成分と鉛直成分のスペクトル比 (H/V スペクトル比) の位相特性からレイリー波卓越方向を推定するとともに、レイリー波の抽出を試みたものである。一般に、減衰のない理想的な地盤では、レイリー波の水平動と鉛直動の間には±90°の位相差があり、H/V スペクトル比は虚数になることが知られている。本研究では、このことを利用して、地震動の水平2 成分の方位補正より作成した水平成分と鉛直成分とのスペクトル比において、虚数部が含まれる割合を表す指標を用いてレイリー波卓越方向を推定し、その方向のH/V スペクトル比の位相、すなわち水平動と鉛直動の位相差が±90°に集中することを利用して、地震動に含まれるレイリー波を抽出した。

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