抄録
2005 年10月8日現地時間8: 28 にパキスタン・イスラム共和国 (以下パキスタン) 北部の山岳地でM7.6 の地震が発生した。東京大学土質地盤研究室と東京大学生産技術研究所古関研究室では、パキスタンのUniversity of Engineering and Technology, Lahoreと共に、甚大な被害をもたらした今回の地震の調査を実施するため、10 月25日~28 日、および11月19日~24 日にかけてスタッフを派遣した。主な調査地域は、イスラマバード、アボタバード、バラコット、ムザファラバードである。このうち、震源から約30 km以内に位置するバラコットおよびムザファラバード等の都市では、地震動により多くの家屋倒壊が認められ、一部地盤変位に伴う倒壊も認められた。また周辺山岳地では多くの地すべりが発生し、最大約15, 000, 000m3規模の巨大地すべりも確認された。2006年1月時点において犠牲者は7万5千人を超えている。本報告は、この地震による主な被害形態とその要因をまとめたものである。