抄録
2005年3月20日福岡市北西の沖合約30kmを震源とする福岡県西方沖地震MJ7.0 が発生した。福岡市内では震度6弱と報告された割に被害は全体に軽微であったが、市内中心部において中破レベルの被害建物が集中して発生した。そこでまず福岡市内で得られた震度計のデータを中心に福岡市内の強震観測記録を分析し、その構造物破壊能を構造物群の非線形応答解析による被害率予測モデルを用いて評価した。また町丁目別基盤深さを反映した一次元モデルと工学的基盤波から再現した強震波形を用いて被害率分布を計算した。その結果警固断層の北東側の基盤が深くなっているところで被害率も大きくなること、しかしその被害率は観測された実被害率よりもかなり大きいことがわかった。