教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
Print ISSN : 1349-7391
新任幼稚園教員のリアリティ・ショックと仕事に対する認識の形成に関する質的研究
谷川 夏実
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2017 年 20 巻 2 号 p. 47-56

詳細
抄録

本稿では,新任幼稚園教員が経験するリアリティ・ショックに着目し,彼らはどのようなことにリアリティ・ショックを受けたのか,その渦中でどのような認識を形成して仕事を続けているのかという課題について,新任 教員6名に対するインタビュー調査に基づいて検討した。分析の結果,新任幼稚園教員がリアリティ・ショックを受けた内容として生成されたカテゴリーは,≪園の方針は受け入れなければならない≫,≪仕事に追われて心 身ともに休まらない≫,≪子どものために何もできていない≫,≪担任としての責任が重すぎる≫,≪先輩教員 とうまくかかわるのは難しい≫の5つであった。新任幼稚園教員は,それらのリアリティ・ショックを受ける中で,≪幼稚園教員に向いていないかもしれない≫という認識を抱くようになるが,その一方で≪とにかくやるしかない≫という認識を持つことで仕事を続けていた。

著者関連情報
© 2017 日本教師学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top