教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
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協働学習に関するイメージの教職経験による相違 ―小学校教員および教職課程学生を対象にした比喩生成課題から―
児玉 佳一
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 20 巻 2 号 p. 57-68

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抄録

本研究は,小学校教員87名および小学校志望の教職課程学生83名に対して比喩生成課題を実施し,“協働学習” および“協働学習を支える教師”に対する「イメージ」の教職経験による相違を検討した。被喩辞は「学び合う こと」,「グループ学習」,「協働学習を支える教師」であった。主な結果として,教職課程学生は“協働学習”や “協働学習を支える教師”を学習者の視点からイメージしていると考えられ,学習者として確認しやすい「教師の役割(見守る)」をイメージしやすく,教師側の視点が含まれる協働学習の「効果」や「性質」はイメージされにくかった。現職教員は,具体的な“協働学習”および“協働学習を支える教師”のイメージをもち,両者のイ メージも関連していた。特に“協働学習を支える教師”のイメージは,具体的な行動である「教師の役割」よりも,教師の「あり方」や「求められる能力」といったメタ的なイメージが示された。

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© 2017 日本教師学学会
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