教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
Print ISSN : 1349-7391
知的障害特別支援学校における連絡調整・議論促進担当教師に生じる外部専門家活用による研修効果
太田 英樹
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 20 巻 2 号 p. 69-76

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抄録

本研究の目的は,知的障害特別支援学校における連絡調整・議論促進担当教師に生じる外部専門家活用による研修効果を明らかにし,その効果を特別支援教育コーディネーター育成システムの観点から考察することである。6名の教師に面接法を実施し,M-GTA によって分析した。その結果,22の概念,9の下位カテゴリー,4の上位カテゴリーを生成した。この研修効果は,教師が発達する過程に寄与しようとする意識の高まりや議論促進の資質向上等に関するものであった。また,全体計画を統括する教師が関与することで,より一層研修効果が高まると考えられた。外部専門家活用をめぐっては,地域により予算等の差異はあるが,今後さらなる推進が予想される。本研究が明らかにした研修効果は,特別支援教育コーディネーターの素地を形成すると考えられた。連絡調整・議論促進担当教師として学び, その後コーディネーターとなる育成システムの可能性が考えられる。

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© 2017 日本教師学学会
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