教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
Print ISSN : 1349-7391
我が国における保育者のズレの認知に関わる研究展望と課題
田中 修敬横松 友義西山 修
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 26 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

本研究は,保育者の自己変容や実践の改善に繋がる振り返りや省察の視点として,保育者の認識と子どもの実際との相違である「ズレ」に着目した。先ず,幼児理解と省察の重要性について整理し,保育者のズレの認知との関連を確認した。次に,対人援助に関わる近接領域も対象として,ズレに関する先行研究を象限に分けて整理,概観し,保育者のズレの認知に関わる研究の定位を試みた。その結果,保育者のズレは,大人-子ども(就学前)間の目に見えにくく,捉えることが困難な象限に位置付くこと,そのため,これまでほとんど研究の焦点が当たってこなかったことが明示された。また,象限毎に特徴的な研究方法が確認されたことから,今後の展開として,混合研究法を用いて保育者のズレを検証する可能性が示唆された。これらから,ズレという視点を導入した萌芽的な研究領域の展開可能性について論じた。

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© 2023 日本教師学学会
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