抄録
本研究の目的は、近年指摘されている教員の長時間労働・多忙化を認識しながらも、教職志望学生が教員を目指す理由を明らかにすることである。小学校教員を志望する学部生、学卒院生32名を対象に、半構造化インタビューを実施し、その理由を尋ねていった。
分析の結果、5つのカテゴリーが明らかとなった。カテゴリー間の関連から、過重労働の具体的な実態や、それに対して自分は対応できるのか不明瞭であることにより、教職志望段階では教職の魅力ややりがいに注目が向いたり、労働条件が十分に考慮されなくなったりする可能性が示された。その結果として、学校現場における労働環境が見直されづらくなったり、リアリティ・ショックが起きたりすることが懸念され、そのために教職志望段階で学校の労働環境に関する現状を学んだり、それへの対応を考えたりする機会を設けることが重要であると考えられた。