抄録
本研究は、教師の固別性を踏まえて中学校教師の生徒指導観の特徴および多様性を明らかにすることを目的とする。中学校数学教師4 名にインタビューを行い、その語りを分析した。インタビューは2 回実施し、2回目のインタビューでは1回目のインタビューの分析結果を提示し、相互了解に至った。分析の結果、生徒指導観において「目指す生徒像」、「重視する働きかけ」という分類の視点が見いだされた。目指す生徒像は、「規範の獲得」、「自主性・自律性」、「自己決定」に分類でき、「社会化と自己実現」という共通の志向性の存在が示唆された。一方、生徒指導で重視する働きかけには多様性が見られ、多様性の背景には生徒指導の目的達成手段の多様な可能性やその成果の不確実性、各教師のライフストーリーや教育経験、性格、立場、関心に基づいて形成されている働きかけの志向性の存在が示唆された。