抄録
従来,数学科を中心に展開されてきた統計教育は,今後情報科でも重視される.本研究では,日本の統計教育の課題を踏まえ,統計教育における情報科の役割について検討した.まず,先進的な統計教育を実施しているニュージーランドに着目し,NZQA(New Zealand Qualifications Authority)が発行している資料と,高等学校学習指導要領解説の数学編理数編と情報編をもとに,高等学校段階の統計教育について両国を比較した.その結果,日本の統計教育においては,「文脈を統合する活動」,「質問項目の検討や実験デザインに関する内容」,「統計的リテラシーに関する内容」がそれぞれ不十分であるといった課題があることを見出した.最後に,これらの課題への対応として,カリキュラム・マネジメントの視点から,情報科と総合的な探究の時間や論理国語との連携,メディアリテラシーと統計に関する内容の連携の必要性について指摘した.