抄録
プログラミングの学習において,算数の計算や漢字の書き取りのように類似問題を反復的に練習することは知識の定着に有効と考えられる.しかし,教科書等では紙面のスペースの都合などにより,掲載できる問題数は限られている.そこで,本論文では学校教員がプログラミングの授業で活用できるワークシートを作成できるツールと,このツールの中に自由にインポートして使える問題バンクを提案する.問題バンクはprint,変数,if,forなどの基本要素を学ぶための「基本問題」と,それらの要素を組み合わせた「応用問題」などが多数用意されている.提案するツールを使うと,教員は生徒の理解度に応じてこうした問題バンクから適切に問題を選択して簡単にワークシートを作成できる.また,このワークシートにはWeb上で動作するプログラムの実行環境が埋め込まれているほか,自動正誤判定や生徒の識別,進捗状況管理などの授業利用に適した機能が組み込まれている.