抄録
2022年度より高等学校で必履修科目である情報Iが始まり,すべての高校生がプログラミングを学ぶことになった.プログラミングは他教科での学習と同様に,「前に学んだ内容を前提とし,新しい内容を学んでいく」といった積み上げ型で学習を進めることが多い.数学や英語では学習順が系統表や学習指導要領等で示されているが,プログラミングの学習順は示されておらず,教員に委ねられており,教科書の説明順で学習を進めているのが現状である.そこで本研究では,高校生が使用する情報Iの教科書に着目し,プログラミングにおける構文要素の学習順の検討を行う.情報Iの教科書13冊を調査した結果,ほとんどの教科書で「変数」,「分岐」,「反復」,「配列」,「関数定義」などの個々の構文要素と「反復と分岐」の入れ子構造が扱われていることがわかった.また,教科書での説明順を調査することで,情報Iにおけるプログラミング学習の系統図を作成した.各構文要素の文法的,意味的な関係性を分析することで,標準的な学習順を明らかにすることができた.