日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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ISSN-L : 1340-2242
特集 : 「急性膵炎の診療ガイドライン」によって診療行為がどう変わったか?
急性膵炎の診療ガイドライン後の最新知見
真弓 俊彦渡邉 出小野寺 睦雄有嶋 拓郎高橋 英夫武澤 純
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2007 年 27 巻 3 号 p. 453-457

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抄録

「エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン」発刊後の最新知見につき, 検索, 検討した。方法はMEDLINE (Ovid版) でpancreatitisとkey wordでacuteを掛け合わせ, 2000年以降, ヒト, 英語, または日本語文献でlimitし, 検索した。また, 医学中央雑誌インターネット版で「急性膵炎」で検索した後, 同様に絞り込みを行った。さらにガイドライン, メタアナリシス, 無作為化比較対照試験 (RCT) でもlimitを行った。その結果, 前者ではガイドラインが6文献, メタアナリシスが14文献, RCTが67文献あったが, 後者ではRCTが1文献あった。疫学, ERCP後膵炎の予防策としてのステントや薬剤, 抗菌薬, 胆石膵炎におけるERCP+ES, H2阻害薬, 蛋白分解酵素阻害薬, 栄養療法, 腹腔洗浄に関するメタアナリスが報告され, また, 各分野で新たなRCTが施行されていた。一部では現ガイドラインにない新たな, あるいは相反する知見も得られた。現在, これらの最新の知見を踏まえて, ガイドラインの改訂を行い, 2007年3月改訂版が発刊された。

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© 2007 日本腹部救急医学会
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