日本腹部救急医学会雑誌
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特集 : 「急性膵炎の診療ガイドライン」によって診療行為がどう変わったか?
「急性膵炎の診療ガイドライン」前後における市中病院の変化
辻 喜久山本 博
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2007 年 27 巻 3 号 p. 463-467

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抄録

目的・ガイドライン前後で当院での急性膵炎診療の変化を検討した。対象と方法・ガイドライン前群 (24ヵ月) と後群 (24ヵ月) にて, 患者数, 紹介数 (率), 厚労省スコア, 当院受診までの期間, 在院日数, 死亡数, 請求点数を比較した。結果・ガイドライン前群・80人, 後群 : 129人と受診者が増加した (P<0.05)。紹介例は増加 (P<0.05), 受診までの期間は短縮, 厚労省スコア, 在院日数, 請求点数は増加した (P<0.05)。死亡率は有意差は認めないものの17.6%から4.1%と改善した。考察・ガイドライン出版前後で早期紹介例は増加, 死亡率は減少した。早期に重症化が予測された場合, 基幹病院で速やかに治療導入を心がけることが重要であると考えられた。

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© 2007 日本腹部救急医学会
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