日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
高度な感染を伴った腹壁欠損に対し人工補綴物を用いて二期的再建を行った2例
大石 康介小泉 貴弘諏訪 大八郎井田 勝也石原 康守大貫 義則鈴木 章男中島 昭人神谷 隆
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キーワード: 腹壁欠損, 腹壁再建
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2007 年 27 巻 3 号 p. 525-528

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抄録

腹部緊急手術後の, 感染による腹壁欠損症例を2例経験した。症例1 : 26歳, 男性。交通事故による左側腹部広範囲挫滅創, 腹腔内臓器損傷に対し緊急手術を施行した。術後, 創周辺に感染, 壊死を起こし, 15×10cmの腹壁全層欠損が生じ, Bard Composix Mesh® (以下, メッシュ) で欠損部を充填し, 腹壁を閉鎖した。創部感染の収束を待ち, 腹直筋皮弁を用いた腹壁再建術を行い得た。症例2 : 77歳, 男性。閉塞性大腸炎による大腸穿孔をきたし, 横行結腸部分切除, 人工肛門造設を行った。術後, 空腸皮膚瘻による人工肛門周囲の感染を併発し, 同部周囲に腹壁欠損を生じた。人工肛門閉鎖時, 欠損部は5×10cmとなり, メッシュで欠損部を覆った。感染収束後メッシュを除去, 閉創を行った。高度感染を伴う腹壁欠損の2症例において, メッシュを用いた二期的再建が有効であった。

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© 2007 日本腹部救急医学会
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