日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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原著
急性胆嚢炎に対する待機的腹腔鏡下手術における開腹術移行因子の検討
山本 貴之篠原 正彦
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2008 年 28 巻 7 号 p. 889-892

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抄録
【目的】急性胆嚢炎に対する待機的腹腔鏡下手術の施行例において,腹腔鏡下手術を開腹手術へ移行させた諸因子をretrospectiveに解析し,検討した。【対象と方法】2002年1月から2005年12月までに当科にて腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LC)を施行した329例中,急性胆嚢炎の診断基準を満たした109例を対象とした。これらの症例をLC完遂群,開腹術移行群(以下,conversion群)の2群に分け,開腹術移行に至らしめた術前の予測因子を検討した。【結果】胆嚢結石頚部嵌頓,画像での胆嚢管描出陰性,Mirizzi症候群の3因子が有意な開腹術移行への予測因子であった。【結語】当科では,急性胆嚢炎の外科的治療は原則としてLCで行うが,上記3因子のある症例に対しLCを行う場合,開腹術移行の可能性を術前より考慮すべきである。
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© 2008 日本腹部救急医学会
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