抄録
緊急開腹例においては,禁煙,栄養管理などが術前に十分に行われないことが多く,待機手術に比べ創感染のリスクは高くなると考えられる。また,消化管穿孔例では腹腔内汚染度は高く,術中開腹創の保護は重要である。当院にて経験した緊急開腹例を汚染状況別(イレウス・ヘルニア嵌頓,上部消化管穿孔,小腸穿孔,急性虫垂炎,大腸穿孔)に分類してウンドプロテクターの導入前後における創汚染発生率を比較検討した。イレウス・ヘルニア嵌頓,急性虫垂炎例ではウンドプロテクターの導入後,創感染発症率は減少したが,大腸穿孔例では導入後も高率であった。緊急開腹例においてウンドプロテクターは有効と考えられるが,大腸穿孔例においては,delayed primary closureなどのさらなる対策が必要と考えられた。