抄録
急性胆嚢炎症例260例に対し,急性胆嚢炎診療ガイドライン(以下,国内版)とTokyo Guidelinesにおける重症度分類の比較検討を行った。重症度の内訳は国内版では軽症20.8%,中等症45.4%,重症33.8%に対し,Tokyo GuidelinesではMild 43.1%,Moderate 56.2%,Severe 0.7%であった。双方のガイドラインを合わせて検討した結果,国内版軽症,Tokyo Guidelines Mild,国内版中等症,Tokyo Guidelines Moderate,国内版重症の順に炎症所見の有意な変化を認められた。また年齢,体温,胆汁細菌陽性もこの順に有意な変化を認めた。今後,大規模試験を含めた十分な検証が必要であると考えられ,特にTokyo Guidelinesの重症度判定基準に関しては再評価する必要があると考えられた。